2017年度3回目の「第25回けいはんな子ども科学キャンプ」を3月24日、25日、26日の2泊3日、参加者30名で開催しました。
指導者としては当協会のスタッフ13名に加え、京都大学医学部大学院、滋賀医大大学院、奈良先端科学技術大学院大学から外国人留学生6人(それぞれ出身はブルガリア、パラグァイ、イエメン、インドネシア、ルーマニア、アルバニア)と、高輝度光科学研究センター、神戸大学から参加してくれました。
第一日目は正午から保護者同伴で開会式を開催。
当協会理事長からPISAの話があり、このキャンプは日常生活において目にする現象になぜ?どうして?と科学の基本に目をむける習慣を育む機会であることについてお話ししました。
その後キャンプのオリエンテーションでは、このキャンプは第一に他では体験できない実験を11コマする、第二には三日間外国人留学生と共に過ごしコミュニケーションをはかる、第三には初めて会った友達とホテルに泊まる経験が出来るという有意義な時間を元気に最後までやり遂げましょうと説明。
その後ホテルの部屋を親子で見学しました。
その後3階の実験室に移動し1コマ目。
アイスブレイクに始まり、実験①「吹奏楽器を作り、音を見よう」で楽器が音を響かせる時のベイシックサイエンスを学びました。
そして自分で作成した楽器で早速コンサートをしました。
とても楽しい時間でした。
この時間はキャンプの最初の実験なのでぺアレンツタイムとし、保護者の皆様に参観して頂きました。
90分の実験時間ほとんど全員最後までご参加いただき、スタッフ一同大変嬉しく思いました。
実験②「どうして天気は変わるのだろう」
どうして変わるかを詳しく説明し、その後珍しい実験で確かめました。
その後天の川に移動し、カウンセラー達のお国紹介が始まりました。
Danielaがルーマニアの紹介をしてくれました。
ルーマニアは東ヨーロッパにあって、日本と同じように四季があるそうです。
料理や衣装など生活についてもお話を聞きました。
南米のブルグァイから参加してくれたJuanから、スペイン人と原住民がうまく融合して生活している話を聞きました。
たくさん質問もしました。
夕方6時から待ちに待ったホテルのレストラン、ラ・セーヌでビュッフェスタイルの夕食です。
サラダ、ピザ、八宝菜、パンプキンコロッケ、から揚げ、焼きそば、カレー、炒飯、ハンバーグ、お蕎麦、茶わん蒸し、お好み焼、タコ焼き、プチケーキを何種類も、白玉団子、ジュース類、果物(オレンジ、グレープフルーツ、パイナップルなど)でおなか一杯頂きました。
食後は実験③「波のお話とドップラー効果」
実験①で学習したことを、日常の生活でみられる現象、救急車のサイレンからさらに音は波であることを実験を交えて理解しました。
8時30分、全員疲れも見せず元気にホテルの部屋へ移動しました。
スタッフは就寝時間までに各部屋を2回廻って困っていることがないか尋ねました。
2日目30日6時半に起床し、7時からレストラン「ライン」で全員そろって朝食。
和食と洋食充実したメニューで、親しくなった友人達と楽しく頂きました。
朝食後ホテル前で集合写真の撮影をして実験室へ移動しました。
実験④「のぞいてみようゾル・ゲルの世界」
私達が日頃目にするお豆腐やゼリーが、化学的、物理的両方からどのような仕組みでできているのかを調べました。
休憩しておやつを頂きました。
実験⑤「プラ板の秘密」
紫外線を使ってプラスチックを作ったり、プラスチックの仲間である高分子について習いました。
その後オリジナルのキーホルダーを作りました。
次はこのキャンプの他では出来ない体験プログラム「ラウンド・ロビン」が始まります。
これは5人ずつ6つのグループに分かれて、担当の外国人留学生の指導でテーブルを順番に巡回して実験します。
6回ですべての実験を体験します。
⑥「顕微鏡試料の作成と観察」
自分で実際にプレパラートを作る。自分で顕微鏡の操作を実践する。この二つを必ずできるようになることです。
次に顕微鏡で見えたものは実際にはどれぐらいの大きさのものなのかを認識することです。
科学は目で見えない微小なものや巨大なものを探索する楽しみであることを学びました。
⑦「食べ物のpH、糖度、塩分を測定してみよう」
日常食べたり飲んだりしている食べ物にそれぞれどれぐらい含まれているか測定器を使って測ってみました。
またこれらの測定値はどのように利用されているか、それぞれにどんな意味があるか話し合いました。
⑧「光が持つ性質:偏光とは何?」
光の進む方向について観察するためのいろいろな実験をしました。
偏光板やテレビ石も観察しました。
⑨「電気抵抗と温度の関係」
マルチメーターを使って、金属と半導体の電気抵抗値を比較しました。
グラフに記入して話し合いました。
⑩「赤色はなぜ赤く見える?」
吸収スペクトルの測定器を使用して観察。
自分で資料を作って測定しました。
グラフのデータでいろいろ話し合いました。
⑪「表面張力のふしぎ」
日頃表面張力は水蓮やサトイモの葉にできた水滴で見かけます。
表面張力とは何だろうか。表面張力と多面体の関係について学びました。
一円玉をいくつ水面に浮かせることができるか競争しました。
水銀ではどうかについても学びました。
以上⑥~⑪は2日目午後と3日目午前10時まで続きました。
6時から昨日と同じホテルのラ・セーヌで楽しく夕食を頂きました。
その後「天の川」で4人のカウンセラーのお国紹介がありました。
まずDoina は、地中海に面したアルバニア出身で、日本に似た四季のある温暖な気候や地形で農業が盛んだとのこと。
また南米のパラグァイ出身のJuan から、スペインに征服されるまでにもともと住んでいたグアラニー人とは今でもお互いに良い関係を保っていて、言語も宗教も両方が上手く調和していると話がありました。
Christina はイエメン出身で、アラビア半島の南端です。
四つの地方ですっかり環境が変わるようです。
チーフカウンセラーのDesiからは、ヨーグルトでおなじみのブルガリアの紹介です。
耳鼻咽喉科でカタツムリ管の研究中だそうです。
また脳外科のお医者様Dhito は、インドネシア出身で幼少の頃を日本で過ごされたそうです。
国土はたくさんの島から成り立っています。
長い、長い一日でしたが、元気にホテルに帰って休みました。
最終日は6時20分に起床して、チェックアウトの準備をして昨日同様1階のレストラン、ラインで朝食をおなか一杯いただき、実験室に移動しました。
全部の実験を終了して、最後の実験について担当スタッフ、カウンセラーとグループの5人の仲間で実験についてディスカッションしてまとめ、全員が担当を決め、グラフやその他の資料を作成して保護者や参加者全員の前で実験の内容を発表出来るように考えました。
11時半から12時まで保護者やスタッフ一同の前で一人一人1分間発表しました。
その後修了式。
ひとりひとりグループ担当のカウンセラーから修了証が手渡されました。
またカウンセラー達から一緒に過ごしたキャンパーについて感じたことを発表してもらいました。
彼らは皆子供たちから活発な質問があり、聡明で好奇心いっぱいの素晴らしい子供達と過ごせて自分たちがいろいろ勉強になり、とても楽しい3日間を過ごせて感謝している、次回も是非参加したいとコメントしました。
キャンパーの皆さん、事故や病人もなく30人揃って修了証を授与され、おめでとうございました。
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